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研究
免疫組織化学法を利用した全血塗抹標本の細胞分類について―Biotin-Strept-Avidin Complex Alkaline Phosphatase標識new fuchsin法による検討(第1報)
Immunohistochemical Labeling of Human Leukocytes in Routine Blood and Bone Marrow Smears;Biotin-StreptAvidin Complex Alkaline Phosphatase Labeled New Fuchsin
永井 淳一
1
,
鈴木 弘文
1
,
永倉 隆夫
1
,
坂井 慶子
1
,
片平 宏
1
Jun-ichi NAGAI
1
,
Hirofumi SUZUKI
1
,
Takao EIKURA
1
,
Keiko SAKAI
1
,
Hiroshi KATAHIRA
1
1神奈川県立こども医療センター検査科
1Department of Laboratory. Kanagawa Children's Medical Center
キーワード:
免疫組織化学法
,
細胞表面抗原
,
モノクローナル抗体
,
new fuchsin法
Keyword:
免疫組織化学法
,
細胞表面抗原
,
モノクローナル抗体
,
new fuchsin法
pp.353-357
発行日 1990年3月15日
Published Date 1990/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900086
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免疫組織化学法において,標識酵素にAlkaline Phosphatase (ALP)を使用すると,良好なカラーコントラストが得られるものの,反応物質が退色してしまうことが問題であった.しかし,naphthol AS-BIphosphoric acidを基質としhexazotized new fuchsinをカップラーとしてALP反応を行うと,その反応物質は退色しないことが報告された.われわれはBiotin-StreptAvidin Complex法にこの原理を応用し,全血塗抹標本における免疫学的細胞分類を試みた.固定はBuffered Formalin Aceton (BFA)4℃30秒固定を中心に行い,CD分類上期待する結果が得られない場合若干の改良を試みた.顆粒球系抗原のCD 13,CD 16は内因性のALP活性を阻害するために,添加するレバミゾールの使用量により反応が左右された.レバミゾールの終末濃度は0.1~0.3mmol/lで良好な結果が得られた.CD 33は今回検討した固定液とレバミゾール濃度からは陽性像は得られなかった.B細胞系抗体ではBFAのアセトン終末濃度が40へ30%で比較的良好な結果が得られた.T細胞系と血小板系抗体はBFA固定で良好な結果が得られた.本法は美しいカラーコントラストが得られ永久標本になること,また内因性ALP活性もレバミゾールで容易に阻害でき,細胞形態の保存性も良好なこと,また反応液に長時間つけておいても染色結果に差がないなどの利点があった.
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