事例から学ぶ 検査室の経営管理に必要な知識・7
検査室で知っておくべき病院の数値
本間 裕一
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1横浜市医療局病院経営本部脳卒中・神経脊椎センター検査部
pp.1519-1523
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203818
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はじめに
病院ではさまざまな数値を扱います.身近なところでは検査データや保険点数などですが,今回は病院経営に関わる数値についてお話しいたします.病院の経営会議に出席すると,必ずといっていいほど,新規入院患者数や病床稼働率,入院診療単価,外来診療単価,手術件数,平均在院日数などの数値(表1)が報告されますが,その数値は病院の経営を反映する数値であり,病院経営陣はこの数値を経営判断の一部としています.これらの数値をホテルの経営に例えると,新規入院患者数は新規にホテルに宿泊するお客さま,病床稼働率はホテルの客室利用率,入院診療単価は宿泊者の1人当たりの平均単価,外来診療単価はホテルのレストランや日中利用のお客さまの平均単価,手術件数はホテルでのパーティーや学会・結婚式,平均在院日数は平均宿泊日数といった感じで,常にホテルが満員で,新規のお客さまが増え,結婚式やパーティーがたくさん入り,連泊者が少なければ,長期の滞在の割引率も低く抑えられ,収入が最大限になるといったところでしょう.簡単に説明するとこんな感じですが,医療の世界はなんでも難しい用語を使い,なんとなく分かりづらくしている感があります.そこで,今回は基本的な数値について簡単に説明します.これらの数値は,検査室の経営にも影響を与えるので,皆さまも関心をもってこれらの数値に着目していただければと思います.
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