事例から学ぶ 検査室の経営管理に必要な知識・1【新連載】
検査室の経営管理のすゝめ
本間 裕一
1
1横浜市医療局病院経営本部脳卒中・神経脊椎センター検査部
pp.652-655
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203626
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連載のはじめに
私は1991年4月に横浜市立港湾病院に就職し,その後,横浜市健康福祉局保健医療部医療政策課,横浜市立市民病院,横浜市脳卒中・神経脊椎センターと異動を経験し,病院検査室の立ち位置を病院の検査室側からと行政側からの両側面からみてきました.そのなかで病院経営の一員として常に思っていることがあります.それは臨床検査に関する知識・技術については誰もが追求し日々進歩を遂げており,一般的なマネージメントについては,日本臨床衛生検査技師会などによる“認定管理検査技師制度”による研修や多くの学会や研修会,書物で学ぶことができますが,検査室の実践的な経営や戦略的な考えは,臨床検査技師養成課程にも含まれておらず,各施設の長が手探りのなかでマネージメントを行い,常に模索していることと思われます.また,今の時代,病院経営に臨床検査技師がかかわることは当たり前となっており,国の政策を反映した,検査室運営に関する考え方や方向性を問われる状況が増えています.
そこで今回,より実践的な検査室運営にかかわる知識について「事例から学ぶ 検査室の経営管理に必要な知識」を執筆することとなりました.内容的には,検査室の運営形態や収支報告書の作成,検査機器購入の考え方,職場での経営意識の向上,医療DX令和ビジョン2030における検査戦略などです.私自身の病院検査室や行政での経験,医業経営コンサルタントとしての検査部門の分析を基に,これらは必要な知識と思っています.今回は「検査室の経営管理のすゝめ」と題しまして,なぜ,このような知識が必要なのか,今までの経緯とともにお話ししたいと思います(表1).
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