増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ
4章 腎疾患を知る—臨床検査ができること
CKD
管理栄養士による栄養指導
川畑 奈緒
1
1自治医科大学附属病院臨床栄養部
キーワード:
食事療法基準
,
臨床検査
,
タンパク質
,
食塩
Keyword:
食事療法基準
,
臨床検査
,
タンパク質
,
食塩
pp.480-485
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203589
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
わが国では,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者は1,330万人といわれ,進行すると人工透析に至る.しかし,早期に対処すれば重症化を抑え,治癒を望むことも可能である.CKDの発症と進行には生活習慣の偏りが大きくかかわっていることから,腎機能を維持するために食事療法は極めて重要である.
CKD患者における栄養指導の有益性を示すエビデンスとして,わが国のランダム化比較試験であるFROM-J研究1)が挙げられる.さらに筆者らが行ったランダム化比較試験でも,管理栄養士による頻回の栄養指導が糖尿病性腎症の進行にかかわる臨床的および栄養学的指標を改善し,腎症の進行を抑制する可能性が示唆された2,3).これらの成績から,CKD患者では管理栄養士による栄養指導が非常に重要と考えられる.
そこで本稿では,CKD患者に対する食事療法基準を紹介し,栄養指導の際に参考にすべき検査所見および症例を呈示する.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.