増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ
3章 腎疾患と臨床検査
腎病理検査における最近の進歩
升谷 耕介
1
1福岡大学医学部腎臓・膠原病内科学
キーワード:
糖鎖異常IgA
,
Gd-IgA1
,
phospholipase A2 receptor
,
PLA2R
,
ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群
,
バーチャルスライド
Keyword:
糖鎖異常IgA
,
Gd-IgA1
,
phospholipase A2 receptor
,
PLA2R
,
ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群
,
バーチャルスライド
pp.449-454
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203583
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はじめに
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の概念が登場して20年以上が経過し,末期腎不全および心血管病のハイリスク状態として継続的な啓発活動が行われている.尿検査異常や腎機能低下を認めた場合,かかりつけ医から腎専門医療機関へ早期に患者を紹介し,可能な限り腎生検による病理診断を行い,疾患特異的な治療を行う.個々の腎疾患においても病因・病態に関する研究が進み,新規バイオマーカーや治療薬が開発され,各疾患の治療成績が向上している.腎病理診断は単に診断のツールとしてではなく,得られるサンプルを用いた病態解明や新たな治療標的の探索においても有用な情報をもたらす.
本稿では腎生検により診断する代表的疾患と病態解明における最近の進歩,近年普及してきたバーチャル顕微鏡の応用について述べる.
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