増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ
3章 腎疾患と臨床検査
クレアチニンとシスタチンCの使い分け(推算GFR)
菅生 太朗
1
1せいいかいメディカルクリニックNASU
キーワード:
糸球体濾過量
,
GFR
,
クレアチニン
,
Cr
,
シスタチンC
,
Cys-C
,
推算GFR
,
eGFR
,
JSN eGFR
Keyword:
糸球体濾過量
,
GFR
,
クレアチニン
,
Cr
,
シスタチンC
,
Cys-C
,
推算GFR
,
eGFR
,
JSN eGFR
pp.404-407
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203573
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はじめに
腎臓は尿の生成を行い,老廃物の排出のみならず水や電解質,酸塩基平衡の調整に重要な役割を果たしているほか,内分泌器官としての役割も有しており,エリスロポエチンやレニンの産生,ビタミンDの活性化や糖新生にもかかわっている.しかし,これら腎機能を総合的に判断することは困難であり,腎機能というと一般的に糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)のことを指す.
GFRの測定には,内因性または外因性であっても一定量血漿に流入し,血漿タンパクに結合せず速やかに拡散し,尿細管分泌・排泄や腎外排泄を認めず,体内でそれ以上代謝や分解されない物質が理想的である1).現在,主にわが国で使用されているGFRを推定する物質について以下に述べる.
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