増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか
2章 血球形態
胸腹水の細胞形態のバリエーション
内田 一豊
1
1豊橋市民病院中央臨床検査室
キーワード:
体腔液
,
組織球
,
中皮細胞
,
体腔液腫瘍細胞
Keyword:
体腔液
,
組織球
,
中皮細胞
,
体腔液腫瘍細胞
pp.1156-1159
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203124
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はじめに
体腔液検査は,体腔液内に貯留してきた要因を明らかにするため,算定や細胞分類を行うことで適切な診断や治療に導いている.細胞分類については,日本臨床衛生検査技師会穿刺液検査標準化ワーキンググループ1)から穿刺液の検査法が提案され,細胞のカウントは計算盤などで行う方法が説明されている.また,自動血球分析装置を用いて体腔液などを測定できることも可能となった報告もある2).
体腔液に出現する細胞は,何らかの反応性により組織球や中皮細胞が出現し,時には悪性細胞の浸潤も観察される.その細胞形態は判断が困難なことに遭遇することもある.
本稿では,胸腹水の細胞形態のバリエーションとして良悪性の細胞所見について述べる.
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