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増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅳ 術中・術後合併症とその管理
7.感染系・その他
DIC
DIC
増井 亜紗実
1
,
岩下 義明
1
Asami MASUI
1
1三重大学医学部附属病院救命救急センター
pp.342-344
発行日 2014年10月22日
Published Date 2014/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200073
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最近の知見と重要ポイント
□DIC(disseminated intravascular coagulation)は早期治療が重要である.
□DICの治療で最も重要なのは,原疾患の治療である.
□遺伝子組み換えトロンボモジュリン製剤はDIC治療での有効性が期待されている.
▶これまでDICは,臨床症状や特異的凝固マーカーの推移などから診断し,治療を開始していた.しかし,病状が進行すると出血症状の増悪や多臓器不全に至ってしまい制御困難な状態になる.そのため,DIC治療では早期に診断して,治療を開始することが重要である.
▶現在DIC治療薬は抗凝固薬を主として数多く存在しており,抗凝固療法以外にアンチトロンビン製剤や抗線溶療法,血液補充療法などが存在する.これらの薬剤を用いたDIC治療戦略は国外のみならず国内でも意見の分かれるところであり,さらなる知見の集積が待たれるところである.ただ,凝固活性化の根本的な制御のためには基礎疾患の治療が最も重要であり,基礎疾患のコントロールなしには抗DIC治療薬は無効であることはほぼ一致した見解といえる.
▶これまで抗凝固療法の中心はヘパリンやヘパリン類などであったが,2008年にトロンボモジュリン製剤が発売となり,徐々に使用量が増えてきている.今後のDIC治療,特に敗血症性DICでの効果が期待されている.
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