今月の特集 典型例の臨床検査を学ぶ
急性ウイルス性肝炎
井上 貴子
1,2
,
田中 靖人
3,4
1名古屋市立大学病院中央臨床検査部
2名古屋市立大学病院肝疾患センター
3熊本大学大学院生命科学研究部生体機能病態学分野消化器内科学講座
4熊本大学病院光学医療診療部
キーワード:
肝炎ウイルス
,
黄疸
,
トランスアミナーゼ
,
血清学的検査
,
予防接種
Keyword:
肝炎ウイルス
,
黄疸
,
トランスアミナーゼ
,
血清学的検査
,
予防接種
pp.614-618
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202735
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初診(診察)時症状・所見
患者は40歳代,男性.既往歴・家族歴に特記すべき事項はなかった.10日ほど前に37℃台の微熱と頭痛を自覚し,近医を受診した.感冒薬を処方されたが症状はさらに悪化し,徐々に食欲がなくなった.数日前から尿の色が濃くなり,今朝会った人から“目が黄色い”と指摘されたため心配になり,当院を受診した.
診察では,意識清明,体温37.8℃,眼球結膜に黄染あり,皮膚に軽度の黄染ありであった.腹部触診では肝を右肋骨弓下に2横指触知した.
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