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病理
細胞診検体を提出する際に,冷蔵庫に入れるようにいわれるのですが,なぜですか? また,なぜ細胞診検体はアルコール固定なのですか?
渡部 顕章
1
1東京医科大学病院病理診断科
pp.450-451
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202681
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細胞の変性を最小限にするには
生体から採取された細胞は血液(酸素,栄養)の供給が絶たれ,温度,浸透圧の変化,細胞小器官による自己融解,細胞外からの刺激(細菌増殖)などによって核クロマチンの凝縮,核の断片化,細胞質の断片化,空胞化,細胞の縮小や肥大などの変性に至り,最終的には細胞が消失する.
例えば,採取後の髄液細胞は変性が早いため採取後1時間以内に検査を実施する必要がある.室温保存では2時間後には細胞が68%に減少し,細胞成分のなかでは単核球より多核球のほうが変性は早いといわれている.髄液は液体内の蛋白濃度が低いため,変性や分解が起こりやすく判定が大きく変わってしまう可能性がある.
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