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臨床化学
直接ビリルビンが紹介元のデータと大きく違っていた場合,どのようなことが考えられますか?
川崎 健治
1
1千葉大学医学部附属病院検査部
pp.368-369
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202640
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直接ビリルビンが紹介元のデータと大きく違っていた場合は,紹介元と自施設の試薬が異なることが原因である.患者の身体所見や経過,検体の色調などの臨床情報と直接ビリルビンの測定値が乖離するならば,M蛋白や薬剤など検体中の成分による影響が考えられるため1,2),精査が必要である.臨床情報との乖離がない場合は,試薬中の成分とビリルビン分画の反応性の違いに起因しており(図1),しばしば閉塞性黄疸の減黄期の測定値でみられる.紹介元から直接ビリルビンの測定法に関する情報を入手し,試薬性能を理解したうえで測定値を解釈する必要がある.
試薬の添付文書にビリルビン分画の反応性が記載されていない場合があるので,表1の情報を参照する.詳細については販売元から正確な情報を手に入れるとよい.
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