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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
3章 消化器疾患
急性ウイルス性肝炎
Viral hepatitis
八橋 弘
1
1国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター肝臓内科
pp.402-405
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201943
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急性ウイルス性肝炎とは,主に肝炎ウイルスが原因で起こる急性のびまん性疾患で,黄疸,食欲不振,嘔気嘔吐,全身倦怠感,発熱などの症状を呈する.肝炎ウイルスとしてはA,B,C,D,E型の5種類が確認されているが,D型肝炎ウイルスは,HBVとの同時感染が必要で頻度が低いため,本稿ではA,B,C,E型を中心に記載する.肝炎ウイルスではないものの,Ebstein-Barrウイルス(EBV)による伝染性単核球症やサイトメガロウイルス(CMV)感染に伴う肝障害は,急性の肝障害の原因としての頻度が高く,鑑別しなければならない.急性肝炎の予後は一般に良好だが,急性肝炎患者の約1〜2%は劇症化し,一度劇症化すると高率に死亡する.
肝炎ウイルスマーカー測定の目的は,急性肝炎の原因診断,B型とC型の持続感染例での病態の把握,治療適応や治療中のモニタリング,効果判定などである.原因診断,病態診断は,複数のウイルスマーカーの測定結果の組み合わせで行わなければならない.
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