増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック
Ⅴ 腎疾患
疾患の解説
微小変化型ネフローゼ症候群
谷山 佳弘
1
1近畿大学医学部腎臓内科
pp.476-477
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201570
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病態
ネフローゼ症候群は,腎糸球体係蹄障害による蛋白透過性亢進に基づく大量の尿蛋白と,これに伴う低蛋白血症を特徴とする症候群である.尿蛋白量と低アルブミン血症(低蛋白血症)の両所見を満たすことが本症候群の診断必須条件である.本症候群では低蛋白血症から浮腫,脂質異常症(高コレステロール血症),血液凝固異常,免疫不全,易感染性などを生じる.
微小変化型ネフローゼ症候群(minimal change nephrotic syndrome:MCNS)は一次性ネフローゼ症候群のなかでは最も高頻度にみられる病型であり,小児では7〜8割,成人でも3〜4割を占める.続発性にMCNSを発症するものも知られており,原因としては非ステロイド性消炎鎮痛薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)などの薬剤や悪性リンパ腫などの悪性疾患がある.
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