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特集 腎疾患の診断と治療 最前線
II.各論1:糸球体疾患(診断と治療)
1.微小変化型ネフローゼ症候群:小児
Idiopathic nephrotic syndrome in children
菊永 佳織
1
,
石倉 健司
1
Kikunaga Kaori
1
,
Ishikura Kenji
1
1北里大学医学部小児科学
キーワード:
小児
,
特発性ネフローゼ症候群
Keyword:
小児
,
特発性ネフローゼ症候群
pp.60-66
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001575
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1 はじめに
1 微小変化型ネフローゼ症候群とは
ネフローゼ症候群(nephrotic syndrome:NS)は,高度蛋白尿と低アルブミン血症を特徴とし,全身性浮腫をきたす病態の総称である。小児NSの約90%が原因不明な特発性ネフローゼ症候群(idiopathic nephrotic syndrome:INS)である。
INSは組織病型として,微小変化型(minimal change disease:MCD),巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS),びまん性メサンギウム増殖などがあり,約80%がMCDである。臨床病型は,ステロイド感受性ネフローゼ症候群(steroid sensitive NS:SSNS)とステロイド抵抗性ネフローゼ症候群(steroid resistant NS:SRNS)に分けられる。MCDを示すINSの約90%以上がSSNSである。このことから,MCDとはINSとほぼ同義であり,本稿では小児INS全般について述べる。
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