増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
Part2 臨床に直結する検査の進め方
呼吸機能検査を有効に進めるための患者接遇・情報収集・エマージェンシー対応
鈴木 敦
1
1社会医療法人厚生会木沢記念病院検査技術部
pp.1232-1237
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201394
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患者の心理・位置・立場を理解した接遇のポイント
呼吸機能検査は,患者の協力が必要不可欠な検査であり,患者の努力が最大限に引き出されていることが大切な要件となっています.最大限の努力が得られなければ正確な検査結果を得ることができず,診断・治療に影響が出てしまうため,検査を担当する臨床検査技師の技量に大きく左右されてしまう検査です.
現在の検査機器はブラックボックス化され,測定原理,機器の特性などの理解がとても難しくなっています.表示に従ってボタンを押せば計算エラーが発生しない限り測定結果が得られてしまい,検査結果の解釈に悩むこともあります.マニュアル通りに機械的に測定するだけでは,患者状態を反映した信頼性の高い検査結果を得ることはできず,簡単な検査と思われがちですが,とても奥が深い検査です.呼吸機能検査担当者は,ただ単に検査を行えばよいのではなく,関連した検査項目の意味・データの正常値・データの解釈・画像判読について理解したうえで検査を行えるように努めなければなりません.その努力によって,臨床医が求める検査結果に付加価値を付けて報告できるはずです.
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