増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
Part2 臨床に直結する検査の進め方
呼気NO検査
松本 久子
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
pp.1204-1209
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201391
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検査の概要
気道壁で産生される一酸化窒素(nitric oxide:NO)は,十億分率(parts per billion:ppb)のレベルで呼気中に検出されます.呼気NO濃度は好酸球性/2型気道炎症時に高くなるため,気管支喘息の気道炎症の指標として有用です1).現在,保険で承認されている呼気NO濃度測定機器は,電気化学センサーによって測定する携帯型アナライザーです.明確な使用基準は確立されていませんが,喘息の診断や吸入ステロイド薬への反応性の予測,治療経過のモニタリングの参考にすることができます.また,吸入ステロイド薬へのアドヒアランスのチェックにも有用です.ただし,検査結果に影響する因子もいくつかあり,注意は必要です.
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