増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
Part2 臨床に直結する検査の進め方
心肺運動負荷試験(CPX)における呼吸機能
加藤 政利
1
1日本医科大学多摩永山病院中央検査室
pp.1210-1220
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201392
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はじめに
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は,全身疾患とも呼ばれ多種の合併症を併発することが知られています1).心疾患を合併することも多く2〜5),肺と心臓は相互に影響し合う関係を有するため6),両者を総合的に評価することは重要です.心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise training:CPX)は心臓と肺を総合的かつ客観的に評価することが可能で,安静時には得ることのできない特徴的な指標を得ることができる点で,超音波検査や呼吸機能検査とは異なります.しかし,CPXはこれらの検査に取って代わる物ではなく,安静時の心機能や呼吸機能をベースにして,運動耐容能や労作時の症状などを評価する検査です.
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