増刊号 臨床検査スターターズガイド
3章 組織マネジメントにかかわる臨床検査技師になるために
医療経済,保険制度の全体像と,臨床検査の位置付け
米山 彰子
1,2
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院中央検査部
2国家公務員共済組合連合会虎の門病院臨床感染症科
pp.556-557
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201241
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わが国の医療は,基本的には保険医療制度に基づいています.診療料,手術料,管理料,検査,投薬,処置などのほとんどの医療行為に診療報酬という,いわば公定価格が設定されており,その合計が医療費となります(出来高の場合).現在,一般病院の病床の半数以上はDPC(diagnosis-procedure combination)病床として,疾患群分類に応じて1日当たりの診療報酬が支払われます.しかし,DPCにおける診療報酬の算定も出来高の統計的処理がもとになっており,一般的には,個々の医療行為・技術についている診療報酬(点数,1点=10円)が意識されています.
上記のように,診療報酬は医療を支える経済的な基盤として非常に重要です.診療報酬は2年に一度改定されますが,その変化は医療施設の収入に直結し,医療現場の実務にも多大な影響が生じます.臨床検査についてどのような診療報酬が設定されるかは,医療のなかでの検査の評価に相当するものであり,検査に携わる者はその状況を理解しておく必要があります.
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