今月の特集2 脂質検査の盲点
扉
山内 一由
pp.1437
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201026
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脂質検査は動脈硬化性疾患の予防と治療を通じて患者の予後改善に寄与するだけでなく,高騰を続ける医療費の削減にもつながる重要な臨床検査です.その意義と活用方法は日本動脈硬化学会が刊行する「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」と「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療ガイド」に明記されていますが,これを十分に理解している医療スタッフは意外と限られているように感じます.少なくとも,データを提供する検査室は上記のガイドライン/ガイドに精通しておく必要があります.脂質検査データを最も目にする機会があるのは検査スタッフだからです.検査室がガイドラインに即したかたちで精確なデータと適切なコメントを報告できるようになれば,ガイドラインでうたわれている脂質検査の目的を十分に果たすことができるようになります.もちろん,私たちが専門とする検査技術に関する点に抜かりがあってはいけません.各種検査法の臨床的意義と活用方法,検査法が抱える問題点について熟知しておくことがガイドラインを生かす重要な前提条件です.
日常化が進んだ臨床検査ほど,思いもよらぬ盲点があるものです.本特集が脂質検査の盲点の克服にお役立ていただければ幸いです.
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