今月の特集2 感度を磨く—検査性能の追求
扉
山内 一由
pp.517
発行日 2016年5月15日
Published Date 2016/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200820
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知識は実践に活かされてこそ意味があります.私たちが専門とする臨床検査ではなおさらです.言うまでもなく,臨床検査は実学だからです.しかし,実際には,誰にでも埋もれさせてしまっている知識が1つや2つはあります.教科書的には知っているけど活用しきれていない知識です.難しい知識に限ったことではありません.むしろ,基本的な知識のほうが陥りやすいのかもしれません.当たり前だと高をくくってしまいがちになるからです.
臨床検査学にもそんな知識がいくつかあります.“感度”もその1つです.“感度”は検査法の臨床的有用性を決定付ける重要な特性ですが,検査を利用する側の医師はもちろん,検査を実施している技師も十分に把握していないのではないか,と疑問に感じることが多々あります.感度をしっかりと理解したうえで検査データを利用しなければその価値は半減してしまいますし,場合によっては重大な医療事故を招きかねません.また,感度の改良を図るためのヒントを検査の現場から見いだし,改良策を提案・実践できる能力を涵養することは,検査室の付加価値を高める意味からも極めて重要です.本特集では,各検査領域のエキスパートたちに“感度”についてとことん掘り下げていただきました.埋もれかけていた知識に磨きをかけ直す絶好の機会になるに違いありません.
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