増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
Ⅲ章 報告前に必要なチェック
〔微生物検査〕
培養の際の注意点(検体の採取と材料の質の評価・培養の仕方・判定の仕方)
便培養
堀 光広
1
1岡崎市民病院医療技術局
pp.1289-1292
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200595
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はじめに
糞便の培養検査は,腸管感染症の原因微生物検索を目的として行われる.外来患者では食中毒起因菌を原因とした下痢症やウイルス性下痢症が多く,時に赤痢アメーバ,ランブル鞭毛虫やクリプトスポリジウムなどの原虫類を起因とした下痢症もある.入院患者ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA)やClostridium difficileによる下痢症が考えられる.このように検査の対象となる微生物の範囲は広い1)〔表1〕.目的とする微生物によって検体保存法や培養法が変わるので,検査依頼時において検査目的を入手することが必要である.
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