増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
Ⅲ章 報告前に必要なチェック
〔微生物検査〕
培養の際の注意点(検体の採取と材料の質の評価・培養の仕方・判定の仕方)
尿培養
吉田 弘之
1
1神戸大学医学部附属病院感染制御部
pp.1284-1288
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200594
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はじめに
感染症の診断のためには,感染臓器から適切に採取された検体を速やかに処理することが望ましい.診断価値の高い検体は治療前,すなわち抗菌薬投与前に限局されるといっても過言ではない.上記のように検体を処理するには,専門的な知識をもった微生物担当の技師が24時間体制で常勤しなければ対応は困難であると思われる.しかし,国内における検査体制は全ての検査室がそれに対応しているとはいえず,現在行われている通常の検査体制は,通常勤務帯(平日9〜17時)以外は交替制の夜勤者,もしくは当直者が対応しているのが現状である.
尿路感染症は,腎臓から尿管などの上部と,膀胱から尿道に至る下部臓器とで感染症は区別され,原因微生物もそれぞれによって異なっている.また,状態が急性か慢性か,および単純性か複雑性かによっても検出される微生物に相違がみられる.
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