増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
Ⅲ章 報告前に必要なチェック
〔生化学検査〕
ALP,γGT
多田 正人
1
1山梨大学医学部附属病院検査部
pp.1195-1199
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200573
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
緊急性
アルカリ性ホスファターゼ(alkaline phosphatase:ALP)は,アルカリ性(pH9.8付近)でリン酸モノエステルを加水分解する酵素であり,活性中心にZn2+がある.血清ALPの異常高値は悪性腫瘍の肝・骨転移が多く(成人),一過性高ALP血症(小児)を引き起こす1,2).
γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-glutamyl transpeptidase:γGT)はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase:AST)〔グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(glutamic oxaloacetic transaminase:GOT)〕やアラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase:ALT)〔グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(glutamic-pyruvic transaminase:GPT)〕と同様に,蛋白質を分解する酵素の1つであり,アルコールや薬物は酵素誘導作用があり,肝内のγ-GTP蛋白量を増加させる.血清γGTの異常高値の原因には肝内胆汁うっ滞や閉塞性黄疸があり,急性アルコール性肝炎では上昇が著しい3).
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.