元外科医のつぶやき・4
超音波検査
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.376
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200295
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超音波検査は患者への侵襲がなく手軽に行える検査であるため,広く普及している.健康診断では検査技師により腹部,心臓,乳房などの超音波検査が施行され,多くの詳細な臨床情報が得られている.特に外科医は腹部所見を容易に把握できるため,聴診器替わりに多用している.有用性の高い超音波検査であるが,その検査装置開発の歴史は浅く,私の医師人生とともに進化した感がする.
私が医学生であった1970年代初頭,母校では超音波検査装置を開発しつつあり,将来性が大いに期待されていた.しかし,暗室で腹部にビニール製の水袋を置き,ぼんやりと描出される肝臓の画像を見せられると,臨床応用するまでにはまだまだ時間を要すると思えた.一方,泌尿器科でも経肛門的超音波検査が試みられ,前立腺癌診断にはより早期に応用される感がした.
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