樋野興夫の偉大なるお節介・7
『暇げな風貌』の心得―希望を具現化する
樋野 興夫
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1順天堂大学医学部 病理・腫瘍学
pp.878-879
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103961
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週末,早稲田大学中野国際コミュニティプラザエクステンションセンター中野校のオープンカレッジ春期講座「がんと生きる哲学」で,講師をする機会が与えられた.5年前の「がん哲学と新渡戸稲造~日本肝臓論~」(NHK放送博物館 愛宕山ホール)のversion upでもあり,「がん哲学」(2004年)出版10周年記念でもある.「われ21世紀の新渡戸とならん」(2003年)10周年記念では,国際連盟のあったジュネーブと終焉の地であるバンクーバーを訪れる機会が与えられた.
第103回日本病理学会総会(2014年4月24~26日)で広島に赴いた.筆者は,特別企画「病理学─復興・創生・展開・未来─」(広島国際会議場)で,「病理学~過渡期の指導原理と新時代の形成力~」を講演する機会が与えられた.「遺伝性がんからそして,環境発がんへ」を語った.日本病理学会理事長,本学会会長の司会,筆者の恩師:菅野晴夫先生(癌研究会顧問),若き日から,大変お世話になった田原榮一先生(広島大学名誉教授)をはじめ,皆さまのお話には,大変感銘を受けた.その日のランチョンセミナー「リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸癌)の診断と対策」では,司会の役を仰せつかった.翌日のワークショップ「病理医が一般人と会い,患者・家族に説明する意義は何かを考える」(ANAクラインプラザホテル)では,「医師の2つの使命~がん哲学外来~」を話す機会が与えられた.これを機に,「次世代のがんチーム医療を考える会~病理医〈懸け橋〉の役割~」が立ち上げられる予感がする.まさに「日本国の医療の隙間を埋める使命」である.
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