Japanese
English
今月の特集1 尿バイオマーカー
肥満・メタボリック症候群におけるシスタチンC測定の意義
Significance of measurement of cystatin C in patients with obese and metabolic syndrome
浅原 哲子
1
1京都医療センター臨床研究センター糖尿病研究部・臨床代謝栄養研究室
キーワード:
肥満症
,
メタボリック症候群(MetS)
,
慢性腎臓病(CKD)
,
シスタチンC
,
動脈硬化
Keyword:
肥満症
,
メタボリック症候群(MetS)
,
慢性腎臓病(CKD)
,
シスタチンC
,
動脈硬化
pp.630-636
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103441
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
■わが国でも急増する肥満を基盤とした生活習慣病やメタボリック症候群(MetS)は,心血管病(CVD)および慢性腎臓病(CKD)の高リスク群である.
■CKDもCVD発症リスクを上昇させ,肥満・MetSにおいてはこの“心腎連関”の病態解明と至適診断・治療法の確立が重要である.
■血清シスタチンCは腎糸球体基底膜を自由に通過し,99%以上が近位尿細管から再吸収されるため,鋭敏な糸球体障害の指標として注目されている.
■尿中シスタチンC/クレアチニン比はβ2-microglobulinなど他の指標成分と同様またはそれ以上に,尿細管障害が早期段階から検知できる指標である.
■肥満において,血清シスタチンCや尿中シスタチンCは推算糸球体濾過量(eGFR)のみならず,動脈硬化指標や減量治療効果とも関連が認められており,CVDやCKDリスク指標として有用である可能性がある.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.