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脳出血と髄液中シスタチンC
玉岡 晃
1
1筑波大学臨床医学系神経内科
キーワード:
脳出血
,
髄液
,
シスタチンC
Keyword:
脳出血
,
髄液
,
シスタチンC
pp.1668-1670
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904646
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1.脳出血とシスタチンC (γ-trace)
1)アミロイドーシスに伴う遺伝性脳出血-アイスランド型(hereditary cerebral hemorrhagewith amyloidosis-lcelandic type;HCHWA-l)とシスタチンC
シスタチンC (cystatin C,γ-trace)は120個のアミノ酸から成る蛋白であり,種々の体液に存在するcysteine proteinase inhibitorの1種である.シスタチンCはアミロイドーシスに伴う遺伝性脳出血-アイスランド型(hereditary cerebralhemorrhage with amyloidosis-Icelandic type;HCHWA-I)の原因物質として注目されている.すなわち,HCHWA-Iはアイスランドでみられる常染色体優性遺伝を示す疾患であり,若年で脳出血を多発し,40歳以前で死亡することが多い1)が,脳アミロイドアンギオパチー(cerebral amy-loid angiopathy;CAA)が顕著に認められ,脳血管に沈着するアミロイドは異型シスタチンCであることが同定され2,3),遺伝子診断も可能となっている4).
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