異常値をひもとく・2
CKの著しい上昇と運動後の褐色尿の症例
前川 真人
1
1浜松医科大学医学部臨床検査医学
pp.214-219
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103345
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はじめに
血清酵素の異常データは,多くは主治医が予測する病態によって生じるものであるが,ときどき予想外の原因によって生じる.そのようなときには臨床検査の担当者の出番である.
測定系の問題であれば臨床側では全く想定できないため,正しく測定できているかの確認が必要である.患者側の要因による場合,先天性,後天性(獲得性)の2つに大別して考える.先天性の場合,家系検索まで必要となることもある.後天性の場合,血中での修飾による原因が多い.
何が原因なのかを突き止める,解決の足がかりとして分離分析技術は非常に有用である.ただ大前提として,不可解なデータであると気づくことが大切で,そうした力は日頃から典型的なデータを見ることによって養われる.関連項目との関係をしっかり理解して,提示症例を解析してほしい.
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