増刊号 この検査データを読めますか?―検査値から病態を探る
Ⅱ 循環器疾患
1 CK,CK-MBおよびトロポニンT上昇がみられた76歳の女性《急性心筋梗塞》
説田 浩一
1
,
清野 精彦
2
1がん・感染症センター都立駒込病院循環器内科・臨床検査科
2日本医科大学千葉北総病院循環器内科
pp.930-934
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103678
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Ⅰ.症例
76歳の女性.左胸痛を主訴として来院した.
現病歴:入院当日,朝9時頃左胸痛が突然出現,30分ほど様子をみていたが軽快せず,当院救急外来受診.受診時,心電図上V5でSTのやや低下(upsloaping type)がみられたものの,特に急性心筋梗塞(acute myocardial infarction,AMI)を疑わせる所見はなく,CKなど心筋マーカーの上昇もみられず,TnTおよびH-FABP迅速判定試験も陰性であった.しかし,胸痛が持続し,白血球数が11,700/μLと増加していることもあり,経過観察で入院となった.→①受診時検査データ
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