学会だより 第101回日本病理学会総会
病理学新世紀の第一歩
草刈 悟
1
1慶應義塾大学医学部病理学教室
pp.924-925
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103111
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第101回日本病理学会総会は,2012年4月26日(木)~28日(土),慶應義塾大学医学部病理学教室の岡田保典教授を会長として,「医学・医療の中軸をなす統括病理学―病理学迎新世紀」のテーマのもとに,東京新宿の京王プラザホテルで開催された.宿題報告,シンポジウム,ワークショップ,特別講演,教育講演,病理学入門シリーズや系統的・剖検病理診断講習会,臓器別病理診断講習会など多様なプログラムが用意された.一般演題は1,100題以上に上り,参加者数は3,000人を超え,各会場で熱気を帯びた講演・質疑応答がなされた.われわれ職員も参加し,各会場での講演を聞く機会を得たので,本学会の内容の一部を紹介する.
初日の目玉は何と言っても特別講演で,宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎教授による「“はやぶさ”が挑んだ人類初の往復の宇宙飛行,その7年間の歩み」であった.会場は溢れるほどの大盛況で,映画の話に始まり,小惑星を調べる意味,今後の太陽系大航海時代への展望など,ユーモアを交え巧妙な話で場内は笑いの渦に巻き込まれながらも,学生・研究者・学者は学びから脱皮し,オリジナリティそう作・創造力を養うことがいかに重要かとのメッセージが十分に伝わってきた.
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