学会だより 第101回日本病理学会総会
第101回日本病理学会総会―病理学迎新世紀
南口 早智子
1
1京都大学医学部附属病院病理診断科
pp.925-926
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103112
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第101回日本病理学会総会が,2012年4月26日(木)~28日(土)の3日間にわたり,岡田保典教授(慶應義塾大学医学部病理学教室)を会長として東京で開催された.昨年,記念すべき100回を迎え,今回新しい一歩を踏み出した総会のメインテーマ・副題は,「医学・医療の中軸をなす統括病理学―病理学迎新世紀」と掲げられていた.
病理学会では,医学のあらゆる分野にかかわる実験病理・診断病理学の研究発表がなされる.今年も多彩な内容が盛り込まれていた.内容は,3つの宿題報告と,2つの特別講演「“はやぶさ”が挑んだ人類初の往復の宇宙飛行,その7年間の歩み」,「再生医学・医療の現状と将来:iPS細胞を用いた神経再生・疾患研究」があり,教育講演は海外からの3名を含む9名の講師による肺癌,神経病理,膀胱癌,癌幹細胞,上皮間葉転換,非アルコール性脂肪性肝疾患,婦人科病理,内視鏡手術と外科病理学の講演が行われた.また,シンポジウムは分子標的医学,オミックス研究,統括病理学を主題とした3題が企画された.新しい企画として若手病理診断医の教育・育成を目標とした「病理学入門シリーズ」,日中交流ワークショップを含む10セッションのワークショップ,各分野の診断病理学の最新トピックスを主題とした10セッションのコンパニオンミーティング,例年盛況な臓器別および系統的・剖検病理診断講習会が設けられた.一般演題と学部学生示説を合わせ,1,111演題が集まり,「我が国における最先端がん治療」と題して市民公開講座も開かれた.
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