学会だより 第51回日本臨床細胞学会総会
みなと横浜に新たな半世紀への第一歩をしるす―細胞診の新しい“かたち”を求めて
工藤 玄恵
1
1戸田中央総合病院・病理部
pp.1092
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102403
- 有料閲覧
- 文献概要
本総会は,本会会長である坂本穆彦先生(杏林大学医学部病理学講座教授)のお膝元である東京を4年ぶりに離れ,パシフィコ横浜で,2010年5月29日(土)~31日(月)の会期で開催された.主題の“新たな半世紀への第一歩をしるす”は,文字通り本総会の歴史が昨年半世紀を迎えたゆえである.では,副題の新しく求める“かたち”とは何か.“不易流行”は世の常だが,本学会の“不易”は“形”ゆえ,それをあえて柔らかい印象の女文字,ひらがなで表記した,その心は何か.おそらく硬い印象をあたえる漢字,男文字の“形”では男性主導のイメージがそのまま残る.そこで本会を斬新で柔軟な“かたち”を“流行”させる第一歩にしたい,という意思表示と拝察した.
坂本先生は,ご自身主催の病理学会時に今では病理学会の一角を担うまで成長した学生展示を創設されたお方である.今回もここかしこに画期的な試みがあった.まず,慣例的なプログラム委員会や実行委員会を設けず,学術講演内容に対する希望・要望すべてを全会員からネット上で直に受け付け,現場の声を真摯に取り上げた.また,副会長を設け,技師会員の小松京子氏を据えたことも学会始まって以来初のこと.さらに,1人でも多くの会員の手による運営を目指し,役割分担も一人一役とした.従来しばしば見受けられた講演や座長などの掛け持ちは排され,学会運営の民主化・機会均等化がはかられていた.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.