Japanese
English
今月の主題 生理活性脂質
話題
リゾリン脂質と肝臓疾患
Lysophospholipids and liver diseases
池田 均
1
Hitoshi IKEDA
1
1東京大学大学院医学系研究科臨床病態検査医学分野
キーワード:
リゾホスファチジン酸
,
スフィンゴシン-1-リン酸
Keyword:
リゾホスファチジン酸
,
スフィンゴシン-1-リン酸
pp.209-212
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102923
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1.はじめに
近年,リゾリン脂質メディエーターであるリゾホスファチジン酸(lysophosphatidic acid;LPA)とスフィンゴシン-1-リン酸(sphingosine-1-phosphate;S1P)の多彩な生理活性と生体内における役割の解明は飛躍的に進んだ1,2).LPA,S1Pについて特徴的である点は,他の生体内メディエーターに比して血中濃度が高く,in vitroの細胞系で作用を及ぼす濃度に非常に近いということである.すなわち,メディエーターとして多彩な作用を有し,血中でも作用を及ぼす可能性が高いレベルで豊富に存在するため,受容体発現量の変化により,その作用のオンオフが調節されている可能性も推定され,実際に受容体アゴニスト,アンタゴニストが疾患治療に応用されつつある.
いずれにせよ,LPA,S1Pともに様々な疾患への関与が報告されてきており,本稿では,特に肝臓疾患における役割についての報告を概観する.
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