Japanese
English
今月の主題 遺伝子検査の最近の展開-ヒトゲノム多様性と医療応用
話題
アトピー性皮膚炎の遺伝子検査
Genetic testing of atopic dermatitis
梅本 紘子
1,2
,
秋山 真志
3
,
清水 宏
1
Hiroko UMEMOTO
1,2
,
Masashi AKIYAMA
3
,
Hiroshi SHIMIZU
1
1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
2北海道大学歯学研究科口腔診断内科学
3名古屋大学大学院医学系研究科皮膚病態学分野
キーワード:
アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)
,
遺伝子変異(gene mutation)
,
フィラグリン(filaggrin)
Keyword:
アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)
,
遺伝子変異(gene mutation)
,
フィラグリン(filaggrin)
pp.1683-1688
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102498
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1 . はじめに
われわれの体表面を覆っている皮膚の最も重要な働きの1つが,バリア機能である.哺乳類の先祖は,海中で生活していたが,陸上で生活するようになり,乾燥した外界に対する皮膚のバリア機能を獲得してきた.それが,“角化”というメカニズムである.皮膚の角化によって,体表面からの水分蒸散量はコントロールされ,かつ,外界からのアレルゲンなどの異物の侵入が防がれている.
近年,この角化によるバリア機能に重要な蛋白,フィラグリンの遺伝子変異がアトピー性皮膚炎の発症因子の1つであることが明らかになった1).本稿では,フィラグリンの遺伝子変異とアトピー性皮膚炎の関連について,その発症メカニズムに着目して述べたい.
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