Japanese
English
今月の主題 広義のアポリポ蛋白
話題
〈修飾アポリポ蛋白〉
N-ホモシステイン化アポリポ蛋白
Modified apolipoproteins:N-homocysteinylated apolipoprotein
戸塚 実
1
Minoru TOZUKA
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科先端分析検査学分野
キーワード:
ホモシステインチオラクトン
,
動脈硬化
,
アポリポ蛋白A-Ⅰ
Keyword:
ホモシステインチオラクトン
,
動脈硬化
,
アポリポ蛋白A-Ⅰ
pp.411-415
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102277
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1.ホモシステインの代謝
ホモシステインは蛋白合成に関与しないSH基を含むアミノ酸の一種で,メチオニン代謝の中間産物である.メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ(SAM synthetase)の作用によりATPよりアデノシンを転移されたメチオニンはS-アデノシルメチオニン(S-adenosylmethionine;SAM)となる(図1).SAMはメチルトランスフェラーゼの触媒作用で様々なメチル化反応においてメチル基の供与対となり,S-アデノシルホモシステイン(S-adenosylhomocysteine;SAH)が生成される.SAHはS-アデノシルホモシステインヒドラーゼ(S-adenosylhomocystein hydrolase;SAH hydrolase)によって水解されてアデノシンとホモシステインに分解される.
ホモシステインは2種類の異なる経路で代謝されるが,その1つは5-メチルテトラヒドロ葉酸(5-methyltetrahydrofolate;5M-THF)およびビタミンB12(VB12)を補酵素とするメチオニンシンターゼ(methionine synthase;MS)の作用で再メチル化を受けてメチオニンとなる経路であり,もう一方はシスタチオニンβ-シンターゼ(cystathionine β-synthase;CBS)の作用でセリンと結合してシスタチオニンを生成する代謝経路である.シスタチオニンはさらにシスタチオニンγ-リアーゼ(cystathionine γ-lyase;CSE)の作用でシステインおよび2-オキソ酪酸へと代謝される1).
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