特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査
各論
2.微生物別の種類別にみた施設内感染制御
4) ウイルス 麻疹・風疹・水痘・ムンプスウイルス
寺田 喜平
1
Kihei TERADA
1
1川崎医科大学小児科
キーワード:
麻疹
,
予防接種
,
感染予防
Keyword:
麻疹
,
予防接種
,
感染予防
pp.1400-1403
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102131
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はじめに
麻疹,風疹,水痘,ムンプスなどのウイルス感染症はワクチン予防可能疾患であり,ワクチン接種によって予防や軽症化が可能である.多くの先進国ではこれら感染症に対しワクチンの2回接種が実施され,流行が著明に減少し,排除された国も多い.
わが国でも2012年までに麻疹を排除することを目標に,2006年から麻疹・風疹混合(MR)ワクチンを乳幼児に2回接種することになったが,2008年の麻疹患者数は1万名を超えた.また,18歳以下のキャッチアップ接種が,5年間の暫定措置として中学1年生あるいは高校3年生の年齢相当者にMRワクチンを実施されているが,残念なことに接種率が低い.また,わが国では水痘やムンプスのワクチンは任意接種であるため接種率は約30%しかなく,毎年流行している.
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