シリーズ最新医学講座・Ⅰ 死亡時医学検査・9
肉眼解剖学教室での死亡時医学検索の確立
松野 義晴
1
,
森 千里
1
Yoshiharu MATSUNO
1
,
Chisato MORI
1
1千葉大学大学院医学研究院環境生命医学
キーワード:
肉眼解剖実習
,
画像診断
,
基礎医学教育
,
臨床医学教育
,
献体
Keyword:
肉眼解剖実習
,
画像診断
,
基礎医学教育
,
臨床医学教育
,
献体
pp.1197-1202
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102091
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はじめに
昨今,“死亡時医学検索”は,“検視・検案”,死亡時画像診断といわれる「オートプシー・イメージング(autopsy imaging;Ai)といった非浸襲性の検査と,“血液・生化学的検査”および“解剖”といった浸襲性の検査を用い死因究明を行う新たな概念として確立されてきました1).すでに,これまでの連載によって,死亡時画像診断であるAiの活用が,死因のスクーリングに対する有用なツールであることが,法医学などの領域によって紹介されています2~7).
今回は,人体の正常な構造を三次元的に理解する肉眼解剖学教育(以下,解剖学教育)に対するAi活用の有効性について,①医学部の必修科目“解剖学教育”の現状,②肉眼解剖実習へのCT画像三次元再構築データ供覧システムの導入背景,③解剖前(死亡後)CT画像撮影の許可を求めて,④肉眼解剖実習へのCT画像三次元再構築データ供覧システムの活用とその成果,⑤CT画像三次元再構築データ供覧システムにより期待される効果の5点に主眼をおき説明します.なかでも,読者の皆様に解剖学教育を取り巻く現状を十分に理解いただくために,解剖学教育の現状とCT画像撮影の導入背景,さらにCT画像撮影に提供いただく献体(note参照)について詳述させていただきます.
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