特集 消化器・一般外科における手術教育の進化と手術手技の継承
Ⅰ 消化器・一般外科における手術教育の進化 9 カダバーサージカルトレーニング
七戸 俊明
1
,
村上 壮一
1
,
平野 聡
2
1北海道大学医学研究院消化器外科学教室Ⅱ/北海道大学病院先端医療技術教育研究開発センター
2北海道大学医学研究院消化器外科学教室Ⅱ
キーワード:
カダバーサージカルトレーニング
,
献体
,
死体解剖
Keyword:
カダバーサージカルトレーニング
,
献体
,
死体解剖
pp.449-457
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004352
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高度で複雑化した現代の手術治療を安全に提供するためには,正確な解剖学的知識の習得と,安全な手術手技の習熟が不可欠である。従来,手術手技の向上を目指すトレーニングとしては,On JT(on the job training)のほか,シミュレーター,アニマルラボなどのOff JT(off the job training)が存在するが,On JT以外の方法は必ずしも広く浸透しておらず,その実施は個々の外科医の向上心や所属施設の方針に依存しているのが現状である。ご遺体(cadaver)を用いた手術手技研修(cadaver surgical training;CST)は,実際の臨床に近い環境でのトレーニングを可能にし,複雑な局所解剖を安全に理解し得る有用な教育手段として評価されている(表1)。しかし,2012年に「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」(ガイドライン)1)が公表されるまでは,わが国でのCSTの実施はきわめてまれであった。
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