今月の主題 唾液の臨床検査
総論
唾液のORP数値を限定して“体調度”を確認
岡澤 美江子
1
Mieko OKAZAWA
1
1岡沢クリニック
キーワード:
唾液のORP
,
抗加齢医学(アンチエイジング医学)
Keyword:
唾液のORP
,
抗加齢医学(アンチエイジング医学)
pp.767-777
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102014
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人間の営みはまず口から始まり,排泄に終わります.一人ひとりの体には,それぞれ一つとして同じではない個性豊かな小宇宙の存在を確認する思いです.人間の体(小宇宙)は自然が作った最高傑作だということを実感してきました.私は,1944年(昭和19年)現東邦大学医学部の生化学の研究室に入り薬剤服用の化学変化の臨床研究・実験に着手.生化学教室で唾液を採取して,当時としては貴重な試験薬を用いて体内に起きる薬剤服用の経時効果の実験を繰り返しておりました.この生化学実験から唾液測定が体内の状況を知るのにいかに有効かという手掛りを得ました.大学を卒業し臨床医になって診療に従事していたときも,唾液測定への関心はいつも頭の中にありました.しかし,診療が優先する臨床現場ではどうするかという解決手法が身近にありませんでした.血液がそのまま唾液となるわけではありませんが,唾液は,血液中の成分が唾液の成分になっているので体内を巡る血液と同じ情報を数多く持っていることがわかっています.長年,願っていたテーマに結びつき私の心を揺り動かしたのは,21世紀は酸化・還元の時代になるという研究報告です.地球の環境クリーニングは落雷に起因すると新説を公表する医療機器の研究・開発リーダーで体の酸化度と健康について強い関心を持つ大友慶孝氏との出会いでした.
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