Coffee Break
戦後小樽海岸に来た最後の群来(クキ)
佐々木 禎一
1
1元札幌医科大学附属病院検査部
pp.428
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101964
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北海道の日本海沿岸,特に寿都~積丹~小樽~石狩~留萌の海岸は鰊漁場として有名で,事実明治初期から昭和の初め頃は常に大豊漁に湧いていたことが知られていた.それは先人の昔話のみでなく,これら海岸線沿いに古い番屋(漁夫達の作業場兼泊り場)が結構残っている点からも伺われる.例えば,小樽祝津の鰊御殿や今なお高級料亭として有名な「銀鱗荘」,そして増毛海岸安平町の花田家等があり,かつての繁栄を物語っている.
私は平成4年「第32回日本臨床化学会年会」会長に指名され,生まれ故郷の小樽市で行った時,学会前夜のお偉方の先生方をこの「銀鱗荘」に招いて,眼下の小樽市や石狩湾の夜景を見ながら会食をしたほか,最終日の会員懇親会で近郊の忍路,高島の保存会の皆さんが「鰊漁網起こし大漁節」を実演してくれたのも,昔の鰊漁全盛期を再現するに十分なものであった.
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