シリーズ最新医学講座・Ⅱ iPS細胞・3
iPS細胞利用の有効性・安全性評価
花園 豊
1
Yutaka HANAZONO
1
1自治医科大学分子病態治療研究センター再生医学研究部
キーワード:
iPS細胞
,
再生医療
,
大型動物
Keyword:
iPS細胞
,
再生医療
,
大型動物
pp.369-374
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101934
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
京都大学の山中伸弥教授がたった4つ(または3つ)の遺伝子をレトロウイルスベクターで導入することによってヒト細胞の初期化(リプログラミング)に成功した.こうして得られた人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell;iPS細胞)を再生医療に応用できないか,その期待が一気に膨らんだ1).それからまもなく,アメリカのグループが,iPS細胞を使ってマウスの先天性貧血やラットのパーキンソン病モデルを治療したと発表した2,3).iPS細胞の応用研究は,世界中で非常に厳しい競争になっている.せっかくの国産技術なのだから,できれば応用も含めて日本国内で開発していきたいものである.その際,iPS細胞利用の有効性と安全性を的確に評価することが必要になる.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.