特集 ホルモンの病態異常と臨床検査
各論Ⅰ ホルモンの病態異常と検査
9.血管制御因子
3) ウロテンシンⅡ
成瀬 光栄
1
,
田辺 晶代
2
,
立木 美香
2
,
高木 佐知子
2
Mitsuhide NARUSE
1
,
Akiyo TANABE
2
,
Mika TSUIKI
2
,
Sachiko TAKAGI
2
1国立病院機構京都医療センター内分泌代謝高血圧研究部
2東京女子医科大学第二内科
キーワード:
ウロテンシンⅡ
,
GRP-14
,
血管収縮作用
,
心不全
,
血管内膜肥厚
Keyword:
ウロテンシンⅡ
,
GRP-14
,
血管収縮作用
,
心不全
,
血管内膜肥厚
pp.1295-1297
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101778
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はじめに
魚類の尾部下垂体は神経内分泌器官として水・電解質代謝の調節にかかわる種々のホルモンを分泌し,その一つがウロテンシンⅡ(urotensin Ⅱ;UT-Ⅱ)である.1999年にAmesら1)は哺乳類のオーファンレセプターGPR-14をHEK-293細胞に発現させ,細胞内Ca増加を指標として生理活性ペプチドをスクリーニングした.その結果,魚類ウロテンシンⅡが特異的な作用を示すことを発見し,次いでヒトUT-Ⅱをクローニングした.UT-Ⅱは強い血管収縮作用と心機能抑制作用1)から臓器障害作用が注目されたが,最近,その臓器保護作用も報告され,新たな展開を示している.本稿ではUT-Ⅱの病態生理学的意義を概説する.
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