発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007007033
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
アスベスト曝露によって健康被害を受けた人に対する救済制度の発足という事態を受けて,改めてアスベスト曝露による中皮腫・肺がんの発生が注目されている.とくに中皮腫については,その診断が救済対象となるか否かを左右することから,病理学的診断の精度向上が求められている.従来,中皮腫についてはその症例数が少なく,かつ組織像が多彩であることから診断に適切さを欠く場合があると考えられる.多くの疾患との鑑別が必要であるが,そのためには近年開発された新しい抗体を組み合わせた免疫組織化学的染色が有用である.肺がんについては,アスベスト曝露によって生じた肺がんであるとする根拠を明らかにするための研究の進展が必要である
©Nankodo Co., Ltd., 2006