今月の主題 アルツハイマー病の最近の進歩
総論
アミロイドーシスの中におけるアルツハイマー病の位置づけ
植田 光晴
1
,
安東 由喜雄
1
Mitsuharu UEDA
1
,
Yukio ANDO
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部病態情報解析学分野(臨床検査医学)
キーワード:
アルツハイマー病
,
全身性アミロイドーシス
,
アミロイド前駆蛋白質
Keyword:
アルツハイマー病
,
全身性アミロイドーシス
,
アミロイド前駆蛋白質
pp.273-280
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101548
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アミロイドーシスとは,病理学的な特徴からアミロイド線維の細胞外沈着とともに臓器障害が生じる疾患群をいい,アルツハイマー病を始めとする多様な疾患が含まれている.原因となるアミロイド前駆蛋白質の種類,アミロイド線維へと変化する要因,アミロイドーシスをきたす臓器や臓器障害の結果生じる臨床症候は多様であり,これらに共通した傾向は認識されていないが,組織に沈着しているアミロイド線維は形態や染色性が類似している.アルツハイマー病以外のいくつかのアミロイドーシスでは病態や検査・治療法などが明らかになってきている.本稿ではこれらの疾患とアルツハイマー病との類似点や相違点について論じ,アミロイドーシスという広範な疾患群におけるアルツハイマー病の位置づけを浮き彫りにしたい.
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