続・追悼 故 堀尾武一先生
堀尾武一先生を偲ぶ
大川 二朗
1
1三田温泉病院
pp.1713
発行日 2003年12月15日
Published Date 2003/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101077
- 有料閲覧
- 文献概要
神戸大学の生化学教室に大学院学生として入学した私はしばらく学外へ出ることを許され,大阪大学蛋白質研究所の共同研究員として採用していただき1966年から2年間を酵素反応部門の堀尾研で過ごすことになりました.
その当時はチトクロームオキシダーゼの研究者として有名であった奥貫一男先生の直弟子であった堀尾先生の研究室のメインテーマは光のエネルギーをATP産生に結びつけるCoupling enzymeを見つけることで,多くの若い研究者が熱意を注いでおられました.またRhodamine肉腫を用いてトキソホルモンをテーマとする新しい研究グループも誕生して成果を挙げておられました.
研究室の雰囲気は活気にあふれ専門分野の異なる大学院生が全国から集まり,それまではのんびりとしたムードで過ごしていた私にとっては新鮮な刺激でした.
堀尾研のモットーは『よく学び,楽しく遊び』でした.蛋白研ではソフトボールやテニス,スキーなどの行事,日生球場を借り切った野球試合,岡山大学理学部藤茂研と野球での交流試合,先生のご家族もご一緒に楽しんだ賢島の海の家,奈良のお寺でのセミナーなどなど多くのレクリエーションへの参加が思い出されます.スポーツマンであった先生の姿を思い出すたびに『スポーツに秀でるヒトはいい仕事ができるヒト』と確信するようになりました.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.