今月の主題 悪性リンパ腫
各論
診断技術の進歩―その意義:染色体分析
三浦 偉久男
1
Ikuo MIURA
1
1聖マリアンナ医科大学血液・腫瘍内科
キーワード:
染色体転座
,
融合蛋白
,
脱制御
Keyword:
染色体転座
,
融合蛋白
,
脱制御
pp.389-394
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100823
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染色体分析はゲノム全体を解析する形態学である.リンパ性腫瘍は染色体転座形成部位と細胞増殖部位とが異なる.前駆B細胞腫瘍の染色体異常は融合蛋白産生型で,成熟B細胞腫瘍の主たる染色体異常は免疫グロブリン遺伝子との脱制御型である.それに対し,T前駆細胞腫瘍の染色体異常はT細胞受容体と転座する脱制御型で,成熟T細胞腫瘍の染色体転座は極めて多様な融合蛋白産生型である.染色体分析により腫瘍化初期の異常を同定することは,治癒指向型の分子標的療法に必須である.〔臨床検査 51:389-394,2007〕
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