今月の主題 ホルマリン固定パラフィン包埋標本からどこまで遺伝子検索は可能か?
話題
CISH(chromogenic in situ hybridization)の有効性と問題点
熊本 裕行
1
Hiroyuki KUMAMOTO
1
1東北大学大学院歯学研究科口腔病態外科学講座口腔病理学分野
キーワード:
CISH
,
癌遺伝子
,
ウイルス核酸
Keyword:
CISH
,
癌遺伝子
,
ウイルス核酸
pp.793-797
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100670
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1.はじめに
近年の分子生物学の進歩を背景に,形態学を主とする病理組織診断においても,形態変化の所見のみではなく,その基盤となる遺伝子や蛋白質などの変化の理解が求められるようになってきている1,2).CISH(chromogenic in situ hybridization)は,蛍光色素や放射性同位元素を使わずDABやBCIP/NBTなどの発色原(chromogen)を用いて,組織標本上でDNAやmRNAを検出するin situ hybridization(ISH)であり,通常は蛍光色素を用いてDNA観察を蛍光顕微鏡下で行うFISH(fluorescence in situ hybridization)と対比されることが多い3~5).
本稿では病理組織検体を用いたCISHにより,病因・病態形成の理解を通じ診断や治療方針などの臨床応用が可能と思われるものについて概説する.
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