今月の主題 乳癌と臨床検査
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最新の画像診断
古澤 秀実
1
,
難波 清
1
Hidemi FURUSAWA
1
,
Kiyoshi NAMBA
1
1ブレストピアなんば病院
キーワード:
乳癌
,
画像診断
Keyword:
乳癌
,
画像診断
pp.100-104
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100408
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1.はじめに
乳癌の画像診断というテーマは,あまりに深遠であり限られたスペースで論じることは困難であることをまずお断りせざるをえない.しかも「最新の」という場合,最新の検査法,検査機器の意味のみならず,最新の診断の進め方の意味をも含むと考えられる.画像診断の意義,目的を論ずるうえで,前者の意味に重点を置いた場合,その最新の検査法,検査機器に関してそれぞれの専門家をも差し置いて原理からの詳細な解説することはおよそ不可能であり,さらには本特集が読者の目に触れる頃にはすでに最新とはいえなくなってしまう可能性もあるので,本稿では主に後者を意識しながら前者についても触れていこうと思う.
さて,乳癌の画像診断には乳癌発見のためのスクリーニングから,再発巣に対する治療効果判定診断まで幅広く,大きく分類すると「存在診断」「形態診断」「質的診断」「機能診断」「効果判定診断」に分けられ,それぞれの意義,目的が微妙にオーバーラップしているが,診療現場で画像診断を用いる場合には,症例と目的に応じた臨機応変な対応が肝要である.そして,現在汎用されている検査法,検査機器から研究中のものまで,乳癌の画像診断のゴールが病理組織像への肉薄であることに異論を挟む余地はなく,病理診断が治療に直結しているように画像診断も治療に直結したものでなければならない.この観点から,当然のこととしてより高性能,低侵襲,易操作性,省スペースかつ廉価な検査法,検査機器の開発,運用が要求されている.
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