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1.はじめに
1993年,IFCC/LM(International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine)はCAP(College of American Pathologists)およびIRMM(Institute for Reference Materialsand Measurements)に協力を要請し,C反応性蛋白(CRP)など血漿蛋白個別14成分を含有した国際標準品CRM470/RPPHSを作製した1).本品はヒト血清べースに調整されているため被検血清と近似した性状であり,その挙動も一致していることや試料の安定性および安全性が保持されているなど完成度が高いとされている2).わが国においては,1997年に日本臨床検査標準協議会(Japanese Comrnittee for Clinical Laboratory Standards:JCCLS)がIRMMと合意のうえ本品を国内の認証品と位置づけ,IFCC血漿蛋白国際標準品(BCR/CRM470:以下CRM 470)という商品名で日本臨床検査薬協会から頒布された.そして各種の免疫化学的測定法における校正条件の設定原器として活用され,血漿蛋白個別成分の標準化は急速に進展した.なかでも,CRPに関しては日本医師会臨床検査精度管理調査(日医サーベイ)や日本臨床衛生検査技師会臨床検査精度管理調査(日臨技サーベイ)の広域精度管理調査の集計・解析結果から,その効果が客観的かつ視覚的に表現されている3,4).ここでは日臨技サーベイの集計・解析結果を中心に施設間差の状況を考察し,また今後の課題および将来の展望について述べる.
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