今月の表紙 染色体検査・6
造血器腫瘍におけるFISH解析
大坪 香里
1
Kaori OTSUBO
1
1株式会社エスアールエル遺伝子・染色体解析センター
pp.1618-1621
発行日 2005年12月15日
Published Date 2005/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100362
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蛍光in situハイブリダイゼーション(fluorescence in situ hybridization;FISH)法は,染色体検査の中では比較的新しく,1990年代に急速に普及した方法である.当施設でも初めに先天異常疾患を導入し,その後造血器腫瘍を対象に導入してきた.
造血器腫瘍における染色体検査は,それまでG-band法が用いられていた.G-band法は,材料中の幼若細胞を培養し,紡錘糸形成阻害剤を用い,細胞周期を分裂中期で停止させることにより得られた分裂中期核が,検査の対象となる.したがって,分裂中期核が得られなければ検査ができないという特徴があった.その特徴を補う検査として,培養に頼らない間期核を対象とする間期核FISH法を導入した.近年では,市販プローブが充実し,さまざまな染色体異常・遺伝子異常に対応できるようになり,FISH法による疾患特異的異常の検出は,病型判断や治療における予後予測に役立つようになってきた1).
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